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妊娠

妊娠体験記録4 太ってる人と高齢者の気持ちが分かった

妊娠してから13キロは増えた。測ったのは2週間前だから今はもっと増えてると思う。赤ちゃんにまつわる重さは最終的に7、8キロらしいので、残りの5、6キロは本体についたということだろう。

お腹が見た目にも目立ってきたのは7か月め頃で、6か月めくらいまでは傍目にはあまり目立たなかった。もちろん自分としてはお腹がいつもより膨らんでいるのは知っていたが、その頃着たウエディングドレス姿の写真を見ても妊婦にはあまり見えないくらいの膨らみだ。

ということは7か月め頃から一気に増えたのか、と言うとそういうわけでもない。私の場合、初期から順調なペースでどんどん増えていった。1か月2、3キロくらいのスピードで。私は食べ物関連の悪阻は全然なく、何でも美味しくもりもり食べていた。かと言って食べ過ぎていたかというとそこまででもない。食欲自体は通常体のときとあまり変わらない。もともとよく食べる方ではあるので普通によく食べていたらそれが素直に体重に反映されていった、という感覚である。普通、最終的に10〜12キロ増が目安らしいのですでにオーバーしてしまっており、さすがに「こんなんで大丈夫なのか?」と気掛かりではあるのだが、担当の先生は何も言って来ない。こないだ助産師さんに聞いたら「いや、とくに…気になるなら食べ物に気を付けてみてください」と言われる程度で、幸か不幸か全然厳しいことを言われない。私はもともと体重に変動があまりないタイプなので、病院で体重計に乗る度に「こんな体重見たことないわ……」という思いを毎回した。60キロ代とか今までの人生で未知の領域である。見た目はお腹以外のところはそこまで太った感じにも見えないので、「お腹以外のところでこんなに一体どこについたんや?」とお風呂に入る前、鏡に映った自分の体を見て毎回不思議に思っている。

が、体は実際重い。重いことによって、動くのが大変だ。まず、寝た状態から起き上がるとき、座った状態から立ち上がるとき、軽く「一念発起」の気合いが要る。そして必ず「よいしょーっ」と景気付けの掛け声をあげる。そうじゃないとやってられない。外を歩くときは、お腹を突き出してのっしのっしと地を踏むお相撲さんの気持ちになる。坂道や階段はすぐ息が上がってきてノロノロスピードじゃないと進めない。もともとややせっかち気味なので、信号や電車に間に合おうとしてすぐ走るような、キレよくシャッシャッと体を使う人間だったのに、今はすっかりのんびり屋さんになった。

体が重い→動くのに労力がかかる→体を動かすのが億劫→省エネモード→ますます太る→最初に戻る

これが、太った人の心理である。妊娠したことで、手に取るように分かってしまった。これは、太った人は大変だ。2、3キロ痩せようとする人と10キロ痩せようとする人とでは覚悟も苦労も2乗の比例、2次関数的な量の差がある。ハンデがものすごい。逆に、子どもが何故あんなに落ち着きなく動き回るのかというと、体が軽いからである、絶対。物理的な問題であって、「子どもだから」とかではない。私たちは大人になって重量が加わることにより身軽さを失い落ち着きを得てしまった。考え方に子どものような柔軟さがなくなるのも身体的な制限に由来するのではないだろうか。子どもの心になるには子どもの体が必要だ。

高齢者も同様、キレよく関節を使えないので慎重に歩かざるを得ない。これはもう、どうしようもない。「早く歩いてよ」というイライラを押し付けることは不毛の極み。ゆくゆくは明日はわが身なのだから。駅に行く度に高齢者に共感を寄せる自分がいる。我らは今同じカテゴリに括られる人種だ。

一度太ってしまったら恐ろしいループに入ってしまう。でも世の中の大多数の人は時間をかけて気付かないうちにその2次関数ループに入っていく。私はその例外になりたい。全員そうだろうけど。出産後果たしてこの体は一体どう出るか?願わくば、脂肪吸引エステのごとく、新たな生命体にちうちうとどんどん吸い取ってもらいたい。

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