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妊娠

妊娠体験記録11 悪阻と食欲のあれこれ

世の中の多くの妊娠女性は初期、悪阻に苛まれるらしい。でも私は悪阻がほとんどなかった。「それはラッキーだよ」とよく人に言われるが、本当にそうだと思う。

悪阻と言えば「吐く」症状のことをたいがいは指している。だけど実はいろいろ種類があって、食べ物の匂いを嗅いだら吐き気がする「匂い悪阻」、お腹がすいたら気持ち悪くなるから何かしら食べ続けないとやってられない「食べ悪阻」、とにかく吐き気がする「吐き悪阻」、とくに気持ち悪いとか関係なくとにかく眠たい「眠り悪阻」など。眠り悪阻は吐き気と関係ないという点で一般的な悪阻のイメージとちょっと種類が違うし、私も眠たくなったりはしたので悪阻症状がなくはなかったのかもしれないけど。

吐いたのは1回だけで、しかも何の前触れもなく反射的にいきなり吐き気がして吐いた。それ以外は、終始何とな〜く薄〜く気持ち悪いな〜というのがずっと続いていたけど、吐くほどではなかった。というか、「気持ち悪い」と思ったらほんとに吐きたくなるような気がするので「何とな〜く気持ち悪い」感じからいつも意識を逸らしていた。だから、正確に言うともしかしたら私は悪阻を「なかった」ことにしているだけかもしれない。

でも、食べることに関しては何の障害もなかった。いつでも健全以上に食欲があった。変化があったと言えば、初期はジャンクなものをあまり食べたくなくなったことだ。以前は何か手持ち無沙汰というだけで意味なくお店のお菓子の棚を物色して買ったりしていたのに、お菓子の棚に目がいかなくなった。お菓子を買わない日が続いても全然大丈夫で、今までにないくらい家で自炊をしていた。でもこれは初期だけで、中期以降はお菓子もバクバク食べるようになったが。

あと、酸っぱいものが欲しくなるとか、食べ物の好みがガラッと変わるとかもよく聞くが、私はそこまでの変化はあまりなかったかもしれない。どれもまんべんなく美味しかった。ただ、海鮮が好きなので、妊婦が生の魚介類を食べるのがNGなことにはしばらく未練タラタラだった。妊娠というのはある日を境にいきなりするものだから、何の覚悟もなくあるとき突然、生魚NG、生卵NG、カフェインNG、アルコールNGになってしまう。「これから妊娠するから今のうちに食べ納めておこう」とかは不可能なのである。生卵とカフェインとアルコールは別にいいが、生の魚介については突然目の前でシャッターが下ろされた感じがして、ドンドン戸を叩いて「開けてよ〜〜!」みたいな気分だった。

そして結婚生活が始まって、毎日栄養バランスのいい手料理を食べる超・理想的な食生活がスタートした。毎日メニューを変えてあれこれ食べていると、万年便秘症だったはずが、便秘になりやすいと言われる妊婦なのに便秘が解消された。結局これまで野菜不足だったようだ。

そういう快調な食生活をしばらく送っていたが、後期に入って、食べると気分が悪くなるようになった。食べたあと寝転がると「ゴゴッ」という音を立ててげっぷが自動的に出る。逆流してきたりもして、さらに具合が悪くなる。大きくなった子宮が胃を圧迫しているらしい。「後期悪阻」というものがあるのを初めて知った。悪阻は初期特有のものだと思っていたのに。はめられた。でも食欲は変わらず健全以上。いっぱい食べたい。だけど食べたら不調になる。ジレンマ。だけど結局食欲に負け、いつも気持ち悪くなる方の道を選んでいた。後期に入って2、3週間もすると、そこまで具合が悪くなることはだんだんなくなってきた。子宮が下りてきて胃への圧迫が軽減されてきたようだ。

今はお腹がだいぶ大きくなって食べるとはち切れそうになり動くのが困難になるが、食欲自体はまったく衰えず、一定。だからはち切れるのが分かっていても食べる方をいつも選んでしまう。だって通常体だったら難なく食べられているのに。悔しい。よく食べる自分でなくなってしまうのが嫌なのかもしれない。自分が変わってしまうことを拒否しているのかもしれない。自分で自分のイメージを壊したくない自分がいる。

あと少しすれば、「食欲に関してはとても安定感のある妊娠生活だった」と振り返られることになると思う。ただ、もう17kg増えているのが気になってはいる。

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